CATEGORY : スタッフブログモノコトプロジェクト DATE : 2025年5月16日
九州大学大橋キャンパスで長年親しまれてきた建築物群が、国の登録有形文化財(建造物)に登録されたことを記念し、令和7年5月11日(土)、その設計者である香山壽夫先生による講演会が同キャンパスにて開催されました。
光栄にも、その講演会後の二次会の会場として、弊社をお選びいただきました。
当日は、芸術工学部の第1期生から第4期生を中心に、多くの卒業生が集まり、まるで同窓会のような和やかな雰囲気の中で始まりました。皆さんそれぞれに焼酎やワイン、ウイスキーを手に、懐かしい話に花を咲かせておられました。
会の途中、香山先生よりお話をいただく時間があり、「老いること」について語られました。特に、エドマンド・ウォーラーの詩『Old Age』への共感を通して、加齢によって得られる平安や智慧について教えてくださいました。
当日ご参加された方々も、この詩の内容が気になっていたことと思いますので、調べてみました。以下に原文と、ChatGPTによる翻訳を紹介いたします。
『Old Age』 エドマンド・ウォーラー 著(Edmund Waller)
The seas are quiet when the winds give o’er;
So calm are we when passions are no more.
For then we know how vain it was to boast
Of fleeting things, so certain to be lost.
Clouds of affection from our younger eyes
Conceal that emptiness which age descries.
The soul’s dark cottage, batter’d and decay’d,
Lets in new light through chinks that Time hath made:
Stronger by weakness, wiser men become
As they draw near to their eternal home.
Leaving the old, both worlds at once they view
That stand upon the threshold of the new.
出典:Edmund Waller “Old Age” より(1686年、詩集『Poems』収録)
※本詩はパブリックドメインに属しています。
和訳(ChatGPT翻訳)
海は風がやむと静まりかえる。
情熱が消えたとき、人の心もまたかくも穏やかになる。
そのとき私たちは知るのだ。
誇っていたものが、いかにはかなく、失われる定めであったかを。
若き日の目には、愛情という雲がかかり、
年老いて初めて、その空虚さが見えてくる。
魂の暗い小屋は、傷み崩れながらも、
時の刻んだ隙間から新たな光を受け入れる。
弱さによって強くなり、人は賢くなる。
永遠の住まいに近づくにつれて。
古き世を去りつつ、人は両の世界を見渡す——
新たなる世界の敷居に立ちながら。
私自身、“悟り世代”といわれる年代ですが、この詩に描かれる境地に、果たして60年後にたどり着けるのか──ふと、そんなことを思いながら先生のお話を噛みしめておりました。
長くなってしまいましたので、このあたりで筆を置かせていただきます。
(文責:福永)