CATEGORY : スタッフブログ DATE : 2025年11月10日
弊社設計の内野公民館に使用するヒノキ材を同小学校校区の早良区石釜の森に赴き、福岡市農林水産局森づくり推進課さん、NPO法人いとなみさんのご指導のもと、内野地域の皆様と一緒に木を伐る体験をしてきました。
今日の伐採体験は、間伐の一種である「皮むき間伐」という立木の樹皮を向くことで木を立ち枯れさせ、樹皮向きの2年後の乾燥が進んだ樹木を間伐する方法を、いとなみさんご指導のもと、窓鋸とよばれるのこぎりを使って、実際に伐採・倒木させ、玉切りという分割作業までを参加者手分けの上、行いました。
会の最初にはいとなみの藤井さんから紙芝居を使って、森の役割や間伐の効能のレクチャーを受けたあと、実際の伐採作業を手分けして実施しました。伐った木は80年生の直径20cm程のヒノキ。木を倒す方向の見立てから、木に切れ目を入れ徐々に切れ目を深くしていき、倒木。倒木後には一定寸法毎に木を分割し、以下所にまとめるという一連の作業を行いました。
私達が参加した午後の部は、主に地域の方と設計事務所からなる参加者で、特に地元の方は大工さんなど、ほぼ玄人という構成。林業関係の方という訳ではありませんが、工具の扱いや段取りについては、主催者のいとなみさんも感心される要領の良さ。みるみるうちに作業はすすみ、伐られた木からは、ヒノキの心地よい香りがしていました。
今後、この木は内野公民館のロビーに設置されるベンチやカウンター材として使用されます。設計者として、木造建築において樹木伐採から関わる事は初めての体験で、また木や林業への理解が深まる貴重な体験であったと共に、これからできる建物への愛着も増すプロセスを体験させていただきました。
今回事務局を務められた森づくり推進課の比田勝さんによると、今後もこのような地域産材木を巡る川上(林業関係者)と川下(設計・建設関係者・ユーザー)をつなぐ試みを続けていかれるそう。今後も参加したいと思わせる有意義な時間でした。関係のみなさま、本当にありがとうございました。








CATEGORY : 副所長ブログ DATE : 2025年6月23日
令和7年6月21日 福岡市アクロス天神にて開催されました。
大会のテーマは『伝統と革新』 ~アジアの交流拠点都市へ~
大会のプログラムは九州各県代表者による県地域実践活動発表や、藤本壮介氏を講師に迎え『紡ぐ建築~人と自然と空間~』(講演会)、『天神ビッグバン巡り』(レクチャー・現地見学)、『歴史建築散歩 まちあるきスタンプラリー』(現地見学)の三つ分科会などイベントが開催されました。
福岡県建築士会会長挨拶を弊社の鮎川透が行いました。


開催趣旨
2000年の歴史が続く都市、福岡。「博多祇園山笠」をはじめとする伝統的な祭りが、今でも都市の中に息づいており、歴史と文化を大切にしながらも、九州一の経済都市として成長してきまし た。福岡市では、次のステージ「アジアの交流拠点都市」の実現に向かって、革新的な取組み『天神ビッグバン』が 2015 年から始まっています。 天神ビッグバンは、規制緩和により都市再開発を誘導するプロジェクトで、建替えに合わせ、水 辺や緑、文化芸術、伝統や歴史などが持つ魅力にさらに磨きをかけ、多様な個性や豊かさを感じられるまちづくりが行われています。 本大会ではプロジェクトスタートから 10 年、革新的なデザイン(意匠・制度設計)の大型プロジェクトが続々と進行する福岡市天神地区の「今、この時」を記憶に留め未来の都市を考えるきっかけとなることを期待いたします。
CATEGORY : 副所長ブログ DATE : 2025年6月20日
昨年9月に竣工した五ツ釜ALLEYの2,3階で住居以外での募集も始まりました。
そこでこのブログでは五ツ釜ALLEYの魅力をお伝えできたらと思います。
【建物のコンセプト】
路地を意味するALLEY。
街に溶け込む佇まいと、研ぎ澄まされた感性が光る内部空間をどちらも楽しめる特別な暮らし。
【唯一無二の8戸の住まい】
駅近の便利さと、街の空気感を身近に感じる立地に、一つ一つ異なる8戸が組み合わさった集合住宅が完成しました。


【特別な隠れ家】
周辺建物との距離を保つよう工夫を凝らした開口部と、天空の光を室内に導くライトコートが、大人の隠れ家を演出します。


【個性を描くためのキャンバス】
無駄を削ぎ落とした仕上げ、家具配置を限定しない平面プランは、十人十色の暮らしを包みます。




【街との楽しい接点】
1階のイートイン店舗ではさまざまな食が提供されています。
日々の食事、友人との乾杯など、自分のダイニングテーブルのように楽しんでください。

photo : ikumasatoshi (TechniStaff)
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○物件名/五ッ釜ALLEY
○物件種目/店舗・事務所
○所在地/福岡市西区姪の浜1丁目24-28
○交 通/地下鉄空港線 姪浜駅 徒歩4分
○構 造/鉄筋コンクリート造 地上3階建
○竣 工/2024年9月
○契約期間/定期借家契約5年(要相談)
○業種/事務所(※シェアオフィス等は不可)
店舗:予約制のネイル・整体・眉毛サロン・
ホワイトニング・アイラッシュ・ヨガ・
エステ・語学教室等。
不可:民泊・パーソナルジム・マシンピラティス・
音楽教室・無人の業種(※給排水の変更は不可)
○備考/保証会社加入必須
物件のお問い合わせはこちらまで
○管理会社/株式会社大央
○電話番号/ 092-712-2303
※住居利用でのお問い合わせも引き続き受け付けております
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CATEGORY : スタッフブログモノコトプロジェクト DATE : 2025年5月16日
九州大学大橋キャンパスで長年親しまれてきた建築物群が、国の登録有形文化財(建造物)に登録されたことを記念し、令和7年5月11日(土)、その設計者である香山壽夫先生による講演会が同キャンパスにて開催されました。
光栄にも、その講演会後の二次会の会場として、弊社をお選びいただきました。
当日は、芸術工学部の第1期生から第4期生を中心に、多くの卒業生が集まり、まるで同窓会のような和やかな雰囲気の中で始まりました。皆さんそれぞれに焼酎やワイン、ウイスキーを手に、懐かしい話に花を咲かせておられました。
会の途中、香山先生よりお話をいただく時間があり、「老いること」について語られました。特に、エドマンド・ウォーラーの詩『Old Age』への共感を通して、加齢によって得られる平安や智慧について教えてくださいました。
当日ご参加された方々も、この詩の内容が気になっていたことと思いますので、調べてみました。以下に原文と、ChatGPTによる翻訳を紹介いたします。
『Old Age』 エドマンド・ウォーラー 著(Edmund Waller)
The seas are quiet when the winds give o’er;
So calm are we when passions are no more.
For then we know how vain it was to boast
Of fleeting things, so certain to be lost.
Clouds of affection from our younger eyes
Conceal that emptiness which age descries.
The soul’s dark cottage, batter’d and decay’d,
Lets in new light through chinks that Time hath made:
Stronger by weakness, wiser men become
As they draw near to their eternal home.
Leaving the old, both worlds at once they view
That stand upon the threshold of the new.
出典:Edmund Waller “Old Age” より(1686年、詩集『Poems』収録)
※本詩はパブリックドメインに属しています。
和訳(ChatGPT翻訳)
海は風がやむと静まりかえる。
情熱が消えたとき、人の心もまたかくも穏やかになる。
そのとき私たちは知るのだ。
誇っていたものが、いかにはかなく、失われる定めであったかを。
若き日の目には、愛情という雲がかかり、
年老いて初めて、その空虚さが見えてくる。
魂の暗い小屋は、傷み崩れながらも、
時の刻んだ隙間から新たな光を受け入れる。
弱さによって強くなり、人は賢くなる。
永遠の住まいに近づくにつれて。
古き世を去りつつ、人は両の世界を見渡す——
新たなる世界の敷居に立ちながら。
私自身、“悟り世代”といわれる年代ですが、この詩に描かれる境地に、果たして60年後にたどり着けるのか──ふと、そんなことを思いながら先生のお話を噛みしめておりました。
長くなってしまいましたので、このあたりで筆を置かせていただきます。
(文責:福永)
